真子さん(20代)の体験談
あの日、第5腰椎の椎間板ヘルニアと診断され、同時にすべり症や分離症、そして坐骨神経痛の疑いもあると言われて
「いったいどれだけ併発しているんだ…」
と痛みに苦しみ、結局気持ちを病んで我慢の限界になり手術をしました。
そんな私の20代半ばのヘルニア闘病体験記。
手術をした
1年ほど坐骨神経痛の痛みに悩まされていました。
毎日毎日、朝起きるとお尻の骨の辺りがギシギシときしむような痛みで最悪な目覚め、くしゃみなんて激痛です。
周りの友人はキラキラして、私はというと治すために無理をしないでおこうと休日はずっと家で安静にする日々。
ブロック注射は楽になるけれど、1日緩和されていたらいい方でモーラステープは常にお尻に貼りっぱなし。髪の毛はボサボサ。周りとはどんどん差がついていく。
そんな生活が続き、心を病んで、ある日壁に頭をゴンゴンとぶつけている自分がいました。
その自分の行為に気がつき、「あ、これはやばい。」と冷静になり、泣きながら私は親に言いました。
「手術がしたい」
手術後、治った…痛みがなくなった!
入院期間は手術前後を合わせて5日程度。
手術はあっけなく終わりました。
特にこわくもなく、どちらかというと坐骨神経痛の激痛の日々や、自由に動けない日々の方がつらすぎて何にも感じなかったのかもしれません。
手術後に麻酔がとれたときは、切った痛み? なのか違和感はありましたが、3日過ぎた辺りから以前の体とは違うことが分かりました。
このときは本当に泣きました。親の前で泣きじゃくったのを覚えています。
数日後、座骨にあの痛みが再発する
病院を退院して2ヶ月ほど経ったところ、座骨の右辺りでビリリっとしびれがありました。
瞬間に頭の中で不安がよぎります。
(またか…手術で治ったと思ったのに)
坐骨神経痛の痛みが再発がしました。
本を読み漁る、セルフケアを知る
ヘルニアの手術をして坐骨神経痛の根本的な痛みは取れたのかもしれないけれど、結局痛みが再発したことに絶望…しかけたのですが、このとき怒りを覚えたのが記憶にあります。
たぶん、私はまた欝の日々に戻ってしまうのが恐怖だったんだと思います。
治らないことへの怒りで精神を保ったような感じです。
「無理やりでも治す!」と勢いづけ、できるだけ再発と治らないことを考えないようにし、それから図書館で専門書を借りたり、整体院に通ったり、教えられたストレッチなどをしました。
ちなみになぜ図書館かというと、図書館に置いてある本は信用できそうと思ったからです。そこでセルフケアというものを知りました。自分の力で治すというものです。
あと病院でもらったコルセットは大衆的に作られたものだったため、最新のものに変えたりしました。
ほかにも、痛みが出ない腹筋や寝方を変えたり、自分にできる些細なことはたくさんやったと思います。
お風呂の浴槽を越えようとして、痛みが走り姿勢が崩れて泣いたときもありました。
どんなに治す覚悟を決めても、やっぱり「いつ治るんだろう…」と不安でいっぱいでした。
それでも3ヶ月。
今考えるとたった3ヶ月なのですが、毎日セルフケアを続けると少しずつ足のしびれがなくなり、クッションなしで椅子に座っても痛くなくなってきました。
このとき自信が出てきたのを覚えています。少しずつですが、1週間ごとに治っていく自分が分かるんです。
毎日毎日、ダイエットのような感覚です。
諦めずセルフケアを続けたことで、半年した頃には坐骨神経痛の痛みはほとんどなくなっていました。
結局、信じられるのは自分
ヘルニアと坐骨神経痛の組み合わせは本当につらい。
ずっとこのままの生活なのかな? という不安と闘い、満足に動けないことがこれほど苦しいのかと分かりました。
もちろんあのときの生活に戻りたくはないですが、当時約2年ほどのあいだに何度も何度も繰り返した辛さ・悲しみ・諦めの感情が、人生において役立っていると思います。
仕事で失敗することがあっても、「あのときの苦しみに比べたら」といった気持ちになり、体が健康ならなんでも乗り切れます。
手術をしたことも意味があったと思います。再発して、怒りのまま突っ走って自分で治そうとしたことも意味があったと思います。
今でこそすべてに感謝できますが、治ると信じて頑張ってよかった。
本当に、健康第一です!