椎間板ヘルニアによる痛みや足のしびれは大変辛い。
症状の改善や腰痛を治すにあたって、まず知っておきたいことは「自分は治るのか、治らないのか」ということだろう。
このページでは、
- 神経ブロック注射を打っている人
- 手術を考えている人
- これからどうすればいいか悩んでいる人
これらに該当する人にとって現在の状態把握と共に、「自分の症状は、どの程度なのか? 治るレベルなのか?」といったヘルニアの改善について説明している。きっと次にあなたの進むべき道の糸口となるはずだ。
ヘルニアは一生治らないのか?
腰椎の椎間板ヘルニアは「完治しない」と言われ、さまざまなサイトでもそう書かれている。
これは言葉の上で”治らない”と宣言されているように聞こえるが、着実に治療をしていくと痛みをなくすことはできる。
そもそも”ヘルニアを治すことをゴール”とした場合、「完治する人」と「一生ヘルニアとつき合いながらも痛みが出ない人」の2パターンがある。
この2つは腰痛をなくす上で方法が違ってくるのだが、今は難しく考えずに「とりあえず治らないわけではないんだ」と少しでも不安をなくしてほしい。これからあなたが置かれている状況より、どうすればいいかきっと見えてくる。
さて改善するにあたり、現在あなたはブロック注射は受けているだろうか。受けていないなら、まずは病院に行こう。
すでに通院しているなら次をご覧いただきたい。
神経ブロック注射しても治らない
腰に痛みを感じた場合、まずは病院に行き診察してもらう。そこで骨や筋肉に異常がないか調べられるのだが、椎間板ヘルニアと診断されると神経ブロック注射を施されることが多い。
しかし、長年腰痛に悩まされている人にとって、「神経ブロック注射を打ってもぜんぜんヘルニアが治らないな…」と感じている人は多いだろう。
これには理由があり、まず神経ブロック注射はヘルニアの根本的な治療効果があるものではない。一時的に神経の痛みを緩和するものであって、痛みが緩和していることそのものが、効果にあたるのである。
効果についてはブロック注射の効果と期間「腰痛なら知るべき」3つのことに詳しく解説しているが、「ブロック注射をすればヘルニアが治る」と勘違いしている人が多いため、一向に治らないと不思議に思いながらも次のステップに進むことができない人がいる。事実を知らないだけで、症状の改善に1年も2年もかかる人が非常に多いのだ。
ではいったいなぜ医師は神経ブロック注射をすすめるのか?
ヘルニアに神経ブロック注射をする理由
大きな理由は、痛みを緩和して通常生活ができるレベルに体をもっていくことで、患者の自然治癒を目的としていることにある。
ヘルニアは状況によって手術する場合もあるが、やはり誰でも体にメスを入れることには抵抗があるし、費用もかかり簡単に踏み込むことはできない。
だから、まずは段階的に痛みの緩和をはかった上でこれからの様子をみるという方法になるのだ。
しかし、もしあなたが足のしびれや腰の痛みが治らないと何度も通院して効果が出るまで注射を打ち続けているならば、考え方を変えよう。
まずは痛みが弱い段階で日常生活から足腰に極力負担がかからないよう、コルセットなどでセルフケアを怠らず適切な運動を意識すること。
もう1つは日常的なケアをしているにも関わらず改善されない場合は手術を考えることだ。
ヘルニアの手術を考えている
腰に負担がかかる生活をしている場合、仕事や暮らし方を変えていかなければならない。そして日常的にセルフケアを行うことにより改善へと向かうのだが、それでも痛みがひどい場合は最終的に手術による治療を考える。
ただ、「本当にヘルニアの痛みやしびれは手術で治るのか?」という心配がある。
この心配は、実際に手術を受けてみないと分からない、痛みが再発するおそれにあるだろう。
せっかく覚悟を決めて手術をしても、治らないのでは話にならないからだ。
ただ、あなたがヘルニアを本気で治したいからこそ、痛みのない生活に戻るために意識すべきは「治らなかったら?」ではなく「治す」ことに目を向けるべきだ。
再発の心配はどうしてもぬぐえるものではないが、手術を受けたからこそ「治った人」がいることに着目してほしい。
手術後も再び腰痛に悩まされる人はある程度の傾向がみられる。痛みがとれたからと、また腰に大きな負担を強いる生活に戻る人が多いのだ。
“再発するんじゃないか”という不安はあるが、そうではなく再発しないように、手術前・手術後の生活環境を改善しながらセルフケアすることが大事なのである。
Q.「ヘルニアを治すには、結局手術しかないの?」
椎間板ヘルニアは手術によって痛みが改善される人もいるが、痛みが再発する人もいる。なぜなら原因は1つではなく日常生活の腰への負担が関係していることが多いからだ。
苦しい日々から覚悟を決めて手術をしても、また痛みが出てくると悲しい思いをするのは、ずっと耐えてきたあなた自身だ。手術をして治った喜びから数日後に腰の違和感を感じ、そしてまた痛みが出たときは絶望的な気持ちになる。一度喜んだ手前、「結局治らないんだ。」と大変辛い。
だからこそヘルニアを治すには手術を視野に入れた上で、症状にあったコルセット(参照:症状や仕事によるコルセットの選び方)でこれ以上悪化しないようケアしながら、腰痛のストレッチを行い日常生活の見直していくことが必要なのである。
治すための順序と「次にできる」こと
ヘルニアは治す意識を持って日常の行動や生活を変えないことには、改善に1年も2年もかかる。
治すために病院に行くのではなく、ただ通院することが目的となってしまい何年も改善されない人は多くいる。
ここまでに説明した内容をまとめる。
- 現在腰に異変を感じたり腰痛が出ている場合は、病院に行き診察をする。
- 椎間板ヘルニアと診断され神経ブロック注射受けている場合は、痛みの緩和と自然治療が目的であるので、日常生活のセルフケアを行うことが大切。
これには適切な運動方法を医師などから聞くことと、普段からコルセットを着用して腰の負担を軽減すること。 - 自然治療では改善がみられない場合は「治す」ことに意識をして手術を考えよう。そして大事なのは、その後もケアを怠らないこと。これにより少しでも再発を防ぐことが、あなたができることだ。
ヘルニアは一生治らないと悲観せず、治すことに強い気持ちを持ってほしい。
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腰痛が治らない理由「治せないループ」から抜ける